親の交通事故と不思議な話

 数年前に父(当時78歳)が交通事故を起こしました。事故と言っても自損で、本人以外に怪我人はなかったものの、彼自身はしばらく入院することになりました。
 70歳あたりまで毎日テニスを嗜む(しかも時間の限り)、超がつくほど元気な人だったのですが、75歳を過ぎたあたりから急に足腰が弱り、散歩に行くと転倒し顔面から突っ込んで血だらけになり、運転すると必ずと言ってよいほどぶつけるという、とにかく危ない状態が続いていました。私としては、人にぶつける前に、なんとか運転をやめさせたいと考える日々でした。ただかなり頑固で運転に自信のある父と、父が運転を止めると足が無くなるので、止めろとは言わない母親にやきもきする日々だったわけです。

 そんなある日、突然母から電話が入ります。「お父さんが事故を起こして救急車ではこばれた」気になったのは誰かを巻き込んでいないかです。幸い被害者は他に無いとのこと。母はいきさつについて話します。

 「お父さんが車を停めて半身を外に出した瞬間、車が勝手にバックした。」車はかなりの速度で隣の塀にぶつかり、その向かいの家の車庫に偶然入り、父は隣の塀にぶつかった衝撃で外に放り出されたようです。平日の昼間でしたが、運よく誰も歩いておらず、隣の家も無事でした。父の車は廃車になり、彼は二度と車を運転することがありませんでした。

 母は最近も言います。「車が勝手に動いたの。誰も信じてくれないけど、本当なのに。」私の夫にも最近言ったようですが、「それはアクセルを踏んだからだ」と取り合いません。
 しかし、私は母の言葉を信じます。ご先祖さまか、守護霊さまが「〇〇(私の父)、もういい加減にしろ。運転は止めるんだ。」そう言って車を動かしてくださった。誰も被害を受けないよう、合法的に父に運転を止めさせてくれたのだと思っています。おかげで私も安心して暮らせるようになってのです。父がだれか車で轢き殺すにではないかとびくびくすることもなく、今では安心しています。見えざる力に、心から感謝。一見良くないことが起きても、必ず意味があります。いつも良い方向に捉える癖をつけましょう。

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